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公益財団法人 NEC C&C財団

2019年度C&C賞表彰式典

遠藤理事長ご挨拶
遠藤理事長ご挨拶

2019年11月27日(水)東京プリンスホテルにて2019年度C&C賞表彰式典を執り行いました。 晩秋の午後、雨が時折降る天候のなか、約130名もの多数の方々にご出席を頂きました。  

式次第に従い、遠藤理事長による開会の挨拶があり、C&C賞は今年が35回目で、過去69グループ112名にのぼる方々が受賞されたことなど、財団の主要な活動が紹介されました。次に青山友紀審査委員長による選考経緯と受賞2グループの発表があり、グループAの受賞者として、「放送及び情報通信工学における画像情報処理分野に関する先駆的研究開発と分野発展に係る先導的貢献」 に対し東京大学/早稲田大学名誉教授の安田靖彦博士と東京大学/国立情報学研究所名誉教授の羽鳥光俊教授の、また、グループBの受賞者として、「分散処理システムにおける基礎理論の確立に関する貢献」に対しマイクロソフトリサーチ、ディスティングイッシュドサイエンティストのレスリー ランポート博士の業績がそれぞれ説明されました。そして受賞者の方々には、遠藤理事長より表彰状、C&C賞牌と賞金が贈呈されました。 

安田靖彦 博士
羽鳥光俊 教授
レスリー ランポート博士
安田靖彦 博士 羽鳥光俊 教授 レスリー ランポート博士

続いてご来賓の経済産業省商務情報政策局長の西山圭太様からは、5Gに代表される情報通信の革新によってC&Cが真に実現される時代がまさに到来していること、またその代表的応用例である自動走行等はHWとSW、サイバーとフィジカルが混然一体となって初めて実現されるものであり、その実現にはこれまでのような単純な規制やガバナンスでは不十分で発想の転換が必要なことなどが紹介されました。そして、そのような社会の大変革を支えているのは実は今回の受賞者の業績のような基礎技術であることを、過去のC&C賞受賞者のノーベル賞受賞の事例を交え、称えられました。次に、電子情報通信学会会長の中沢正隆様からは、今回の三人の方々の業績はいずれも長年の努力と継続によってもたらされたもので、その苦労とそれを乗り越えてきた活動に対し、心より敬意を表するとの言葉をいただきました。また、ご自身のお孫さんのスマートフォンに触れる所作を引き合いに、これから20-30年先には現在想像もできないようなICT社会の到来が予見され、それに備えるには若年からのICTに係る道徳心やリテラシー教育が極めて重要になるとのご指摘がありました。 最後に、表彰活動を通じ長年ICTの発展を支援し続けているNEC C&C財団の活動の益々の発展を祈念され、贈呈式は滞りなく終了しました。  

受賞記念講演では、グループAの安田靖彦博士からは、「情報通信技術という大河の流れに棹さして45年」と題して、大学入学以降体験されてきた数々の人との出会いと、そこで経験されたことを時系列的に紹介いただきました。また、ご自身が整理された技術のライフサイクルと、新産業創出のシーズとの関係について説明され、目的基礎研究の重要性を説かれました。次に、同グループの羽鳥光俊教授からは、代表的な業績として知られる動き補償フレーム間符号化技術について、図を用いてその原理を平易に説明されました。そして、ご自身の体験談として放送通信工学技術に関する技術深耕や実用化の難しさを、同技術に係るステークホルダーの多さや複雑さなどを事例に述べられました。続いて、グループBのレスリー ランポート博士からは、1976年ごろの同期の問題から2000年ごろの調停アルゴリズム発案に至るご自身の分散コンピューティングに係る研究について、どのような動機と刺激により進めてこられたのかを時系列かつ事例を用いて平易に説明されました。特に研究開始の初期に出会ったジョンソンとトーマスによるデータベース複製に関する論文に興味を持ったのが、その後の博士による一連の分散システムアルゴリズム発想の起点であることなどが興味深く述べられました。  

受賞講演の後、受賞者を囲んでのカクテルパーティの場が設けられました。歓談は40分程度の短いものではありましたが多数の方にご参加いただき、和やかな雰囲気の中で、参加者が受賞者にお祝いの言葉を述べ、また参加者同士が懇親を深める交歓の場となりました。  

続くご来賓の方々との晩餐会では、遠藤理事長の開会の挨拶に続き、情報処理学会会長の江村克己様より乾杯のご挨拶を頂きました。 晩餐会の最後には、グループA受賞者のお客様を代表して、安田靖彦博士の大学恩師にあたる猪瀬博先生の奥様の猪瀬毱子様からと、羽鳥光俊教授とは技術を通じての仲間でもある藤原洋様よりそれぞれお祝いの言葉を頂戴し、その後受賞者より感謝のスピーチがありました。次にグループB受賞者のお客様である所眞理雄様が急病によりご欠席となったため、急遽届けられたお祝いのレターが財団の橋本専務理事により代読されました。そして、レスリー ランポート博士からの感謝のご挨拶ののち、晩餐会は盛大な拍手のうちに閉会となりました。 

表彰式典の様子

式典会場の様子 選考経緯を説明する青山審査委員長
ご来賓祝辞を頂いた経産省商務情報政策局長 西山圭太様
式典会場の様子
 


選考経緯を説明する
青山審査委員長
 

ご来賓祝辞を頂いた
経済産業省商務
情報政策局長
西山圭太様
ご来賓祝辞を頂いた電子情報通信学会会長中沢正隆様 C&C賞受賞講演をされた安田靖彦博士 C&C賞受賞講演をされた羽鳥光俊教授
ご来賓祝辞を頂いた
電子情報通信学会会長
中沢正隆様
C&C賞受賞講演をされた
安田靖彦博士
 
C&C賞受賞講演をされた
羽鳥光俊教授
 
C&C賞受賞講演をされたレスリー ランポート博士 カクテルの場にて カクテルの場にて
C&C賞受賞講演をされた
レスリー ランポート博士
カクテルの場にて
 
カクテルの場にて
 
カクテルの場にて 晩餐会遠藤理事長ご挨拶 情報処理学会会長江村克己様によるご祝辞と乾杯
カクテルの場にて
 
 
晩餐会遠藤理事長ご挨拶
 
 
情報処理学会会長
江村克己様による
ご祝辞と乾杯
ゲストスピーチ 猪瀬毱子様 ゲストスピーチ 藤原洋様 返礼 安田靖彦博士
ゲストスピーチ
猪瀬毱子様
ゲストスピーチ
藤原洋様
返礼
 安田靖彦博士
返礼 羽鳥光俊教授 ゲストスピーチ代読 専務理事橋本雅伸 返礼 レスリー ランポート博士
返礼
羽鳥光俊教授
ゲストスピーチ代読
専務理事橋本雅伸
返礼
レスリー ランポート博士
受賞者とご夫人全員の記念写真 
受賞者とご夫人全員の
記念写真