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公益財団法人 NEC C&C財団

2024年度C&C賞受賞者

2024年度C&C賞受賞者が決定しました。
受賞者は次の1グループ3名及び1チームの方々です。

>> プレスリリース

グループA

>> グループA 業績詳細

秋葉 重幸 博士

秋葉 重幸 博士
Dr. Shigeyuki Akiba

元(株)KDDI研究所
代表取締役所長

鈴木 正敏 博士

鈴木 正敏 博士
Dr. Masatoshi Suzuki

公立千歳科学技術大学
副学長・教授
早稲田大学大学院
理工学術院・客員教授

森田 逸郎 博士

森田 逸郎 博士
Dr. Itsuro Morita

早稲田大学 理工学術院 教授
 


業績記

大容量波長多重光海底ケーブルシステム開発・実用化への貢献

受賞理由

インターネット通信量増加に伴い、国際間通信の99%を伝送する海底ケーブルの大容量化が急務であったが、光ファイバの非線形性が長距離光海底ケーブルの大容量化を阻害していました。受賞者らは、光ファイバの波長分散制御を周期的に行うことにより、非線形光ファイバ伝送システムの高速・超大容量化を可能とする安定な手法が存在することを発見し、実証することにより、波⾧多重方式を用いた太平洋横断ケーブルの伝送容量を128倍に拡大できることに成功しました。この技術は、波長多重光の海底ケーブルの必須技術となり、総システム長20万6千kmに及ぶ光海底ケーブルに適用され、現在の大容量通信時代に必須の技術となっています。  

秋葉 重幸 博士、鈴木 正敏 博士、森田 逸郎 博士の、長距離光海底ケーブルの大容量化を実現した技術として創出した数々の研究成果は、社会にとってなくてはならない大容量通信技術の実現に貢献しました。3氏の功績は多大であり、C&C 賞の受賞者としてふさわしいと考えます。  


グループB

>> グループB 業績詳細

トランスフォーマー チーム

論文「 Attention is all you need 」の著者8名


アシシュ・ヴァスワニ 氏

アシシュ・ヴァスワニ 氏
Ashish Vaswani

CEO, Essemtial AI

ノーム・シェイザー 氏

ノーム・シェイザー 氏
Noam Shazeer

VP, Gemini Technical Co-Lead, Google Deepmind

ニキ・パルマ 氏

ニキ・パルマ 氏
Niki Parmar

Research scientist, essential AI, Google

ヤコブ・ウスコライト 氏

ヤコブ・ウスコライト 氏
Jakob Uszkoreit

Inceptive

ライオン・オーウェン・ジョーンズ 氏

ライオン・オーウェン・ジョーンズ 氏
Llion Owen Jones

CTO, Sakana AI

エイダン・ゴメス 氏

エイダン・ゴメス 氏
Aidan Gomez

CEO, Cohere

ルカシュ・カイザー 氏

ルカシュ・カイザー 氏
Lukasz Kaiser

Member of Technical Staff, OpenAI

イリア・ポロスキン 氏

イリア・ポロスキン 氏
Illia Polosukhin

NEAR Protocol


業績記

生成AIの基盤となる深層学習モデルTransformerの先駆的研究

受賞理由

近年、AI (Artificial Intelligence)技術は目覚ましい進化を遂げ、産業分野のみならず、社会に深く浸透しつつあります。特に、生成AIの登場は、創造性を身に付けたAIとして世界中に衝撃を与えました。2000年代に入り、第3次AIブームが到来します。機械学習が実用化され、さらに、深層学習(deep learning)が登場、CNN (Convolutional Neural Network)やRNN (Recurrent Neural Network)などのモデルを使って、画像認識、自然言語処理、音声認識など多くの分野でAIの性能が向上しました。2017年、それまでのニューラルネットワークを刷新する革新的なモデルTransformerが発表され、既存モデルを大きく上回る性能を達成しました。Transformerなくして現在のAIの発展はなかったといわれています。  

Transformerは、自然言語処理で当時の最先端技術RNNやLSTMの限界を突破しただけでなく、マルチモーダルAIにおいて、様々なデータのシームレスな統合を可能にし、AIシステムの能力を大幅に向上させました。深層学習は2010年頃からAIによる革新を引き起こしましたが、Transformerはそれまでのニューラルネットワークを刷新したという意味で、第2の革新と言え、現在のTransformerを基盤技術とした生成AIの波及と社会へのインパクトは大きく、C&C賞にふさわしいと考えます。