2025年度C&C賞受賞者

2025年度C&C賞受賞者が決定しました。
受賞者は次の1チーム4名及び1名の方々です。
>> プレスリリース
グループA
>> グループA 業績詳細
![]() 原 昌宏 氏 株)デンソーウェーブ 主席技師 |
![]() 渡部 元秋 氏 (株)デンソーウェーブ 技術開発部 |
![]() 黒部 高広 氏 (株)デンソーウェーブ 執行幹部 |
![]() 髙井 弘光 氏 GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター) |
業績記
QRコードの発明・実用化および世界的普及への貢献
受賞理由
1980年代、製造、物流、小売などの現場では、品物の識別やトラッキング、管理などにバーコード(一次元コード)が幅広く用いられていました。しかし、1990年代に入ると、製造現場で扱う部品が多様化したため、既存のバーコードでは記録できる情報量に限界が生じていました。この問題を克服し、飛躍的に多くの情報を格納でき、高速で正確に読み取り可能としたのが、1994年に発明されたQRコード(二次元コード)です。QRコードは、流通、製造、決済、モバイル認証、チケット管理など多様な分野で広く活用され、社会や産業のデジタル化・効率化に大きく貢献しています。 QRコードチームが開発し、普及させたQRコードは、技術的な優位性だけでなく、特許のオープン化と国際標準化を推進したことで、世界の誰もが利用できる社会基盤技術となり、その汎用性・拡張性は様々なシーンでの用途を創造・拡大しました。QRコードは、ICT分野の技術進歩ならびに社会的な価値創造に大きく寄与するものであり、QRコードの開発から普及に貢献したデンソーウェーブ、中でもQRコードチームは、C&C賞にふさわしいと考えます。
グループB
>> グループB 業績詳細
![]() ジャック・ドンガラ 氏 テネシー大学 名誉教授 |
業績記
科学計算の高速化とその応用への貢献
受賞理由
1970年代から1990年代にかけて、コンピュータの性能は飛躍的に向上し、コンピュータによるシミュレーションや解析処理が盛んに行われるようになりました。急速に進歩するハードウェアに対応した高性能なソフトウェア開発が求められ、そのためには、効率的で再利用性の高い数値計算ライブラリが不可欠でした。ジャック・ドンガラは、LINPACKなど、数値計算ソフトウェアライブラリの開発、コンピュータの性能ランキング「TOP500」の創設、高性能計算技術の発展に大きく寄与しました。彼は、MPI (Message Passing Interface)など分散並列計算技術の普及にも尽力し、HPC (High Performance Computing)の発展に大きく寄与し、高性能な科学計算と応用の基盤を築きました。 ドンガラ氏は、高効率な線形代数演算ライブラリ、並列プログラミング機構、コンピュータの性能評価ツールなどの重要な研究開発を通じて、HPCコミュニティの成長とHPC分野の発展に貢献しました。これらの成果は、科学計算の発展を促し、シミュレーションや数値解析といった手法で生み出された科学的発見や技術革新は、社会の発展を加速させる原動力となりました。彼の功績は国際的に高く評価されており、C&C賞の受賞はまさにその偉業を讃えるものであると考えます。